Column2006年版

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第1話 無い物ねだり

 


第1話 無い物ねだり
著者、バストロつちだ

●コニカミノルタがカメラ事業を撤退

初めて触った一眼レフが、ミノルタのSR-T101でした。
こいつでカメラの基礎知識を覚えたようなもんです。
その後、むちゃくちゃな使い方をして、フィルム送りを壊してしまいました。
それからは、いろんなカメラメーカーに浮気をしたのですが、
ある日地元のカメラ屋さんに行ったとき、とてつもないスペックのカメラを目撃してしまいました。

世界初1/12000秒高速シャッター、1/300秒の高速フラッシュ同調、AF連動最高4.5コマ/秒高速連続撮影、
ファインダーを覗くとすでに露出、ピントが合っているという、「ゼロタイムオート」機能。
透過液晶により、情報すべてがファインダー内で視認。
そしてペンタ部が埋没し、まるで「ジャミラ」のような姿なそのカメラは、ミノルタ「α-9xi」といいました。
高校生だった私は、欲しくてたまらない想いでショーケースを眺めていた記憶がありました。
しかし、オトナになった私は、カネにもの言わせて、憧れのカメラをゲットできたのです。
発売後14年も経ちますが、未だに現役バリバリです。(すっかりボディがテカってしまいましたが・・・)
インテリジェントカードを使うと、機能が拡張したり、プロの秘蔵テクニックをカメラ側で制御し再現したりと、ニクイっす。
今見てもすごく格好良いです。
そうこうしているうちに、ミノルタがコニカと合併しちゃいました。
そしていつの間に!!カメラ事業を撤退ということに!!
正直言って、最先端でキワモノを作り、そして現在でもそのキワモノぶりが格好良いミノルタが無くなるのはショックでした。
慌ててデジタル1眼のα-7Digitalを買いました。
今までのαレンズか使えるのと、特殊なマクロレンズ以外のすべてに手ぶれ補正機能が働くということが大きなウリです。
また、標準でもすごくピントの山がつかみやすいスフェリカルアキュートマットは、他のメーカーのファインダーでは味わえない感覚です。
このミノルタは、究極のボケ味を出すSTFレンズや、9xiのようなxiシリーズのボディと組み合わせて「勝手に構図を作る」という、パワーズーム機能を持ったxiレンズ、
レフレックス構造でオートフォーカスが可能な500mmRFレンズなど、普通じゃないレンズのラインアップが魅力です。
ソニーに譲渡した現在、ソニーで新たなαマウントレンズを作り続けて、ミノルタ魂の火を消さないでほしいです。

ついでにゲットしたのがこれ。HI-MATIC 7Sというレンジファインダーカメラ。
こいつの初代が宇宙に行ったのです。
オートプログラムEEで写真を撮ると意外とよく写るんですよ。モノクロ撮影にはすごく威力を発揮します。

中・大判カメラで有名なマミヤも、とうとうカメラ事業から撤退すると決めましたね・・・コンタックスもそうでしたが、こうして日本の産業・芸術を支えてきたものが、時代のニーズと共に歴史に幕を閉じるというのは、なんとももったいない気がします。


●秋吉敏子ジャズオーケストラの解散

私がミノルタα-9xiにヨダレをたらして指をくわえていた頃、深夜のFMラジオでは、「秋吉敏子/ルー・タバキンビックバンド」の「March of the Tadpoles」が流れてきました。
初めて秋吉バンドを聴いたのがコレです。トロンボーンのセクションソリに驚きました。なんじゃこの曲は!!まさに衝撃でした。
その後このバンドのCDを探しました。運良くちょうどCDとして再販されたのです。(しかも紙ジャケット仕様で)

高校生の私は当時こいつを毎日、CDプレーヤーのピックアップレーザーの出力が弱るくらい聴きまくりました。
音楽室のオーディオで、大音量で聴きまくりました。
そしたら今度はこいつを吹いてみたくなったのです。
しかし、当時アマチュアバンドでこれを演奏するというバンドは身近では存在しませんでした。「ベイシー」一色って感じでしたね。
親父のレコードを漁ると、ベイシーはたくさんあるんですけど、秋吉・タバキンはさすがに無かったです。
そうこうしているうちに、社会人となって「コレ」について理解のあるバンドと巡り会いました。それが今の「The Time After Five Jazz Orchestra」なんですがね(^^)

しかし!!昔は敏子の譜面がたくさん売られていたというのに、今は数えるだけです。
しかも、一昨年このバンドは「解散する」なんて言うじゃないですか!!もうショックでしたね。

March of the Tadpolesのスコアを持って、ブルーノート東京へ行ってサインを書いてもらおうと思ったのですが、
よくよく考えて、今のメンバーでこの曲のスタジオ録音をしているのはタバキンだけじゃん!と思ってサイン求めるのやめました・・・

ミノルタもそうでしたが、このバンドも敏子のキワモノぶりなメロディ・ハーモナイズと、雅楽・能や三味線などを取り入れた斬新な曲作りが未だに新鮮です。
きっと当時、このバンドの譜面がリリースされても、「世間が敏子の世界観について行けなかった」から浸透しなかったのではないか、と思うのです。
(いや、単に難しいだけか!?サックスは持ち替えあるしね・・・)
今聴いても、すごく斬新で格好良く、先が予測できなくて、そしてじわりじわりと心にくるんですよね。

時代は刻々と変わりつつありますが・・・たとえば「ドン・エリス」の変態変拍子(8分の19拍子とか)を演るアマチュアバンドなんかが
世の中にひとつくらい存在しても良いのでは?どうよ、タイムの親方(^^)