Column2004年版

2003年の記事はこちらからどうぞ

第1話 雑感あれこれ
第2話 Doodleタンギングを習う


第1話 雑感あれこれ
著者、バストロつちだ

これは2004年現在の私自身の考え方、環境、状態などを徒然なるままに書いてみたのでした。
数年後に「あぁ、こんな事考えてたんだぁ」みたいな発見につながると良いのですが・・・


・マウスピースについて

時代の流れとともに、変化(進化?)するマウスピースの「好み」ですが、
やっぱり「元に戻るんだなぁ」というのを実感してます。
(私の先生は言ってました。「アンブシュアは気づいたら戻ってる、マウスピースは古女房のほうが落ち着く」と。)

しばらく前に「もはや当然」という位の、マウスピースの大口径化ブーム。
ダグラス・ヨーモデルやシルキーの60CV(オープンリードなんてのも!!)などなど・・・
今となっては正直言って「なんじゃこりゃあ〜!!」ってなサイズで、思えばただひたすら太い音色と、うっとうしいくらいの音圧。
音色の変化もさほどつけられず(吹いている本人が思っているほど・・・)、5線の上の音といったら、逆に張りのない、モワーッとした感じ。

今は昔使っていたシルキーの59番に戻ったのでした。

一般的に、薄い(軽い)ベルにはヘビーなマウスピースを、ヘビーなベルには軽いマウスピースを使うのがデフォルトなようですが、
私の超うすうすなベルでは、シルキーの60CVですと「軽すぎた」のです。それを補うためにリードパイプを切断して使ったのですが、
何のメリットを感じることなく、現在は使用しておりません・・・むしろ、私にはデメリットが多すぎました。

シルキーの59番は「重い」部類のマウスピースなんでしょうか。持った感じも全然違いますしね。
(そいえば誰かがシルキーの59番の事を言ってたなぁ・・・あの微妙なシャンクの長さが良いんだとか)

今の課題は「小さいマウスピースで太い音色を出すこと」です。(といっても59はデカイほうの部類かぁ・・・)
マウスピースの容積を最大限に利用し、息をまっすぐに吹き込み、上から下まで鳴らす。
イメージとしては「ソーラー・レイ」でしょうか。(憎しみの光だ!!ですな・・・)
小さい方が安定した音を出せますからね。
またたくさんの音色のバリエーションをもてますね。
当然音色のバリエーションが多い分、多様な場面で「カラー」を作れる。
そしてなんといっても「バテ」にくい(^^ゞ

ブレスコントロール、音のイメージ、発音、タンギング・・・課題はたくさんあるけれど、流されることなく一歩ずつ進んでいき、
さらにマウスピースを小さいサイズしていけたらなぁと思ってます。そうねぇ・・・バックの1-1/2位を目標に!!



・チューニングについて

最近Bbでチューニングする機会が多くなりました。
今までAでチューニングしていたので、Bbが「うんと高く聞こえる」感じがします。
正確に言えば、「うんと高い響き」でしょうか・・・
そりゃそうだ、Bb管にとってのAの音は第7音、つまり「導音」なんで、導音はルートに対してふつう高めにとるからなぁ・・・
 
トロンボーンにとっての、チューニングという概念は、私にはあまりありません。
チューニングというよりも、どちらかといえば「響き」をあわせるという感じでしょうか。
基本的には、第1ポジションというのはスライドの最も手前から約1〜2センチ抜いたところですからね。
アンサンブルの中で、第1ポジションでも「高め」にとりたい場面は多々ありますからねぇ。

トロンボーンは、「頭の中で音程を修正する」楽器だと思います。


・ロングトーンについて

なぜロングトーンをする必要があるのか!!
答えは「良い響きの幅を広げる」からです。
別の言い方(見解)ですと、「ポジションがいい加減な位置でも、音程がとれるようにする」、ということです。

裏を返せば、
「響きが良ければ、多少音程が悪くとも、悪く聞こえない。多少ポジションがいい加減でも、正しい音程に聞こえる」
つまり、
「音程が悪いと言うことは、音の支えが甘い」
と言えるのですね。がんばろうっと。

第2話 Doodleタンギングを習う
著者、バストロつちだ

ジャズトロンボーン吹きとしての課題として、常に意識しているタンギングが「Doodleタンギング」です。
Doodleタンギングができることで、演奏の幅がぐんと広がりますからね。
またジャズにおいては、どんなに速いテンポの曲でもレガート奏法を要求されます。ですからニュアンスの表現としては最高のテクニックでしょう。
しかしながら、日本のトロンボーン教育(?)上、レッスンなどで習う上でDoodleタンギングを教える事は限りなくゼロなんです。
(オケスタ・教則本やメロディウスエチュード、ソロ曲にて必要な場面はまず無いですからね・・・)

では、ジャズを本業としている「アメリカ人」ならば、きっと教わっているに違いない、ということで、
今回、私の仕事柄おつきあいのあります横田基地に所在する米空軍環太平洋軍楽隊のコンサートが仙台市にて催され、
楽器を持参でリハーサルからおじゃまさせていただきました。
(当初の目的は、PAセッティングのお手伝いでしたが・・・)

その前に・・・米軍のPAは「全員が熟知」しており、機材の車下からセッティング完了まで30分とかかってませんでした。
マイクも楽器の一部という認識でしょうか、また重い機材も信じられない担ぎ方で軽々と持ち上げてました。さすが米軍。
 
 左 エンジニアのスタンリー・サカモトさん(見た目は日本人だが英語しか通じず・・・)
 右 ドラムがステージ右に!!(ドラマーが左利きだからセッティングが左右逆)

さて、セッティング完了してからリハーサルまでかなり(予想できるセッティングよりはるかに早く終わったので)時間があったので、自分の楽器を持ち出して、館内をブラブラしているトロンボーン吹きにアタックしたのです。

「Doodleタンギングの方法を教えてください。」

そしたら「俺はできないよ」

なにっ???
あぁぁ、ジャズを演るアメリカ人は全員Doodleタンギングができると思ってました。これって外人が日本人は全員空手ができるものだと思われているのと同じか!!思い込みとは恐ろしいものだ。

しかし、「うちのプレーヤーでできる奴が居る」と紹介してくれました。
軍楽隊のトラック運転を兼務しているトロンボーン吹きの方から、猛烈な速さで模範演奏してもらった後、猛烈な早口でベラベラ解説してくれたのでした。
「ベラベラベラベラなんたらかんたら、『ブリヤァ・ドリャア(演奏)』ベラベラベラベラなんたらかんたら、『うりゃうりゃうりゃっ(演奏)』・・・」

・・・私は「Oh!・・・・・・Ah.Hah!!・・・・・・」とかしか言えず・・・

んで、彼が言うには(聞き取れた会話の節々をつないで都合の良いように訳すと・・・)、
「Doodleタンギングってよぉ、ふつうのタンギングと違ってなぁ、ジャズ屋しかやらねぇんだずぅ。
んだなゃぁ、ニュアンスとしたらデグデグデグデグって感じだ。で、舌先が口の奥だ。オラはよぉ、ボブ・マチェスニーの教則本で勉強したんだずぅ。」

っていう話でした。(たぶんね)
その後毎日の練習で何をやったらよいかという話になると
「とにかく言いまくる・言いまくる・言いまくる」
「譜面に沿って正確なアーティキュレーションを意識し、ちゃんと口で言えるようにする」
「リップスラーやスケールに組み込む」
「常に舌の位置を意識しながら吹く」

とのことでした。

Doodleタンギングができないという最初の彼が言うには
「俺はDoodleはできないからダブルタンギングで吹いてるよ」と言ってました。
そんな彼の演奏、聞いた感じはどう聞いてもDoodleに聞こえます。しかし彼はダブルタンギングだと言う。

おそらく"日本人がやるダブルタンギングとは別物"なのか、
Doodleとダブルタンギングの差はほとんど無い、かと思われます。

どうでしょうか。全然参考にならない???本格的に学ぶには、Bob McChesney氏のDoodle Studies and Etudesをご参考あれ。
 Doodle使いじゃない彼とのショット